アウルプロパティ代表 尾藤弘子の不動産情報

コラム

もし購入or借りた物件が瑕疵物件だったら?

自分が購入したor借りた物件が、過去に自殺または他殺事件があったのにもかかわらず、説明を受けないまま住み続けて後から知った場合はどうなるのでしょうか?

これに関しては、隠れたる瑕疵に該当すると言われてます。

自然死、病気でお亡くなりになった場合、告知義務は問われませんが、人の亡くなり方が自殺、他殺、孤独死、焼死等の場合は心理的瑕疵(聞いていたら買ってない、借りていない嫌な気持ちになる状態)に該当するので告知義務があります。

過去に6年前にベランダ内で首つり自殺があり、その後家族は平穏に暮らしてはいましたが、自殺について告知しなかったため瑕疵担保責任による売買契約の解除が認められ、かつ違約金条項に基づく損害賠償を認めた裁判例があります。
(横浜地判平元・9・7判事1352号126頁)

一度、入居者に自殺したことを告知すれば次の入居者には告知する必要なしという解説もありますが、知りうる限りの情報は心理的瑕疵に該当するため告知しないと告知義務違反に問われてしまうのです。

身内で自殺や他殺、孤独死があった場合は残された家族はどうなるのでしょうか?

事件があった物件は、通常の家賃の3割減で募集すると言われています。その結果貸主が身内に対して損害賠償請求を求めた例があります。

賠償請求はどこまで認められるのでしょうか?

おおよそ、6~7年間は3割減額した家賃でしか収入が得られないため、裁判所は家賃2年分を貸主に支払うよう命じた判例があります。

孤独死に明確な定義がないのですが全国で推計2万6871人にものぼったといわれています。
東京都内で単身でなくなる65歳以上の高齢者は、過去15年で2倍その比率が女性で1.8倍、男性で2.7倍と驚くべき数字になっています。
全国の孤独死の3分の1は東京23区で起きているそうです。
(教育社会学者・舞田敏彦)

孤独死は予防ができます。
定期的に誰かが気にかけてあげること、気にかけてもらえる人間関係を築けることが重要です。まずは身の回りから声がけできるといいですね。

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