アウルプロパティ代表 尾藤弘子の不動産情報

コラム

築古でも価値がある?

フランク・ロイド・ライトは、アメリカの建築家であり、ル・コルビュジェミース・ファン・デル・ローエとともに近代建築の三大巨匠の一人です。

彼が生涯をかけて唱え続けた『有機的建築』は、無機質になりがちな現代により人間的な豊かさを与えてくれる建築思想になっています。
自然と建築との融合を重視した思想をもつ彼の建築に多くの日本の建築家が、心酔し、数々の才能が生まれ、帝国ホテルの建築にチーフアシスタントとして従事した遠藤新や、その子であり フランク・ロイド・ライト の最後の弟子、遠藤楽は、日本で300を超える設計を残しました。

フランク・ロイド・ライト の作品
・帝国ホテル(1923年建築)
・自由学園明日館(1921年建築)国指定重要文化財
・ヨドコウ迎賓館(1918年建築)国指定重要文化財

杉並区今川にある築古の物件は、中央線「荻窪駅」徒歩19分と立地的には決してよくありませんでした。
しかし、その建物が保存されシェアハウスとして活用されることになったのは、匠フランク・ロイド・ライトの最後の日本人弟子である遠藤楽氏の設計による個人邸だったからです。

骨董品のように価値がわかる人には古くても、汚れていてもそこに価値がある。

この物件の企画、設計、運営にあたる勝亦丸山建築計画 は、全5室を改修し寄宿舎にしました。入居の大半は、建築事務所、不動産会社勤務であり想定通り、価値がわかる人でした。

今までの建築家は、建てるところまででしたが、勝亦丸山建築計画 は建築をデザインし、そのまま運営まで行うデザインオペレーションというサービスで、自社で建築を借り上げ、現状調査、企画、設計、改修とその費用負担、運営までを一括で行い、半計画的な小さな改修を繰り返すことで、建築の価値とニーズを恒常的に高めていくプロジェクトを実施しています。

建物の持ち味を最大限生かし、大切に維持修繕しながら生活していく。
ものに溢れた時代であり、先行き不透明な今こそ、あるものを活かす発想は、今後も人々を魅了していくのではないかと思います。

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