アウルプロパティ代表 尾藤弘子の不動産情報

コラム

がけに注意

がけの付近の建物については、がけ崩れなどを予想するなどして建築する必要があり、そのために、建物の建築における制限が課されています。

東京都建築安全条例第6条では、がけ下の土地上に木造家屋を建築する際には、がけ下からがけ高の2倍以上離して建築するか、がけと建物との間に防護壁を設置しなければならないとしています。

Aさんが中古住宅を購入したところ、購入後、がけ条例に違反しているため、防護壁設置工事、建物1階部分の補強工事に約2,082万円も要することが判明しました。買主、買主側、売主側の仲介会社に工事費用負担を求めましたが応じなかったため、訴えを提起、裁判所は、説明義務違反にあたるとして、仲介会社2社に対する請求を肯定しました。なお売主については素人であったことから、損害賠償責任は否定されたそうです。(東京地判平成28・11・18)

今回は、売主側の仲介が売買契約当時、都がけ条例に違反し、検査済証も取得していないことを認識していたのにもかかわらず説明せず、買主側の仲介も売主側の仲介に説明を委ねてしまったことが損害賠償請求にまで発展しました。

現場を確認することは基本。

法令上の制限を学びなおしたいと思います。

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