コラム
10.222019
ふるさと納税セミナー
先日、令和元年に新制度に移行したふるさと納税セミナーに参加しました。
ふるさと納税の方法はとても簡単だと大平宏税理士事務所の中山慎吾先生よりご説明がありました。
ただ注意が必要な場合もあります。
投資用不動産を購入して節税している人がふるさと納税を活用すると寄付しすぎになってしまうこともあるようです。
給与取得者ほど、確定申告を面倒と思わず行うほうがいいと中山先生はおっしゃっていました。
ふるさと納税はもともと福井県の当時の福井県知事西川一誠さんが「故郷寄付金控除 」として故郷に愛着のある人たちが地元に還元できる仕組みができないかという想いからスタートしたそうです。
想いとは裏腹に「ふるさと納税しないと損するぞ!」と、返礼品目当てのふるさと納税のイメージが先行してしまっています。
自分の住んでいる場所に税金を納めず、返礼品重視の傾向がこのまま続いたら、ゴミの回収、水道管管理、道路管理等で日常生活を快適にしてくれている行政が困窮してしまうでしょう。
一方、国民が税金の支払先を選択できるようになると行政が必死に返礼品を考え、市場の動向をさぐる動きが活発になるので、結果的に行政のマーケティング能力を高め、競争原理が働き思わぬ効果をもたらしているそうです。
その点は非常にいいと思いました。
今まで口をあけていれば流れてきた金脈がたたれた瞬間、努力するようになるものです。
企業の当たり前が行政のあたりまえになると必然的に変革せざる得ないのです。
自分が納税した村、町、市の村長、町長、市長よりお礼の手紙を受け取ることで行政が身近に感じたり、関心をもつきっかけにもなるそうです。
お金持ちほど、ふるさと納税による効果が大きく返戻品だけで1年間食費が賄われるなどの歪曲した使い方には疑問を抱くものの、よい効果もあるため今後多くの人がバランスよくふるさと納税の仕組みを利用できるといいと感じたセミナーでした。